【2025年版】日本企業が開発した国産LLM16選|活用事例と比較を紹介

近年では、国際的なLLMの基盤モデルに加えて、日本語に特化したLLMモデルも次々開発されてきています。これからLLMの導入を検討しているという企業の中には、日本語特化LLMの採用を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、日本企業が開発した、最新の国産LLM事例を豊富にご用意いたしました。さらに、日本語特化のLLMを選定する際に留意すべきポイントもあわせてご紹介していきます。国産LLMのビジネス導入を検討している方は必見です。
大規模言語モデル「LLM」とは

大規模言語モデルである「LLM(Large Language Models」は、膨大なデータセットとディープラーニング技術によって構築されています。
計算量・データ量・モデルパラメータ数の3つの観点から、従来の言語モデルを大幅に上回っており、自然言語処理(NLP)において非常に優れた性能を持っているのが特徴です。
AIの自然言語処理モデルにLLMを用いることにより、人間の会話に近い流暢な対話が実現できます。LLMの仕組みは以下の通りです。
1.トークン化
テキストデータを単語や文の塊に分割
2.ベクトル化
トークン化したものを数値に変換
3.学習
ニューラルネットワークを使用した学習
また、以下はLLMを応用した自然言語処理タスクの一例です。
-
チャットボット
-
翻訳
-
文章要約
-
テキストの分類 など
【国産LLM】日本企業が開発したLLM13選
ここからは、日本企業が開発したLLMの事例を13件ご紹介していきます。それぞれ特徴と
-
Tsuzumi
-
cotomi
-
stockmark-13b
-
CyberagentLM
-
weblab-10B
-
Japanese StableLM Alpha
-
PLaMo
-
LHTM-OPT2
-
fugaku-LLM
-
Llama-3-ELYZA-JP
-
Rakuten AI2.0
-
ao-Karasu
-
Japanese Stable Diffusion
-
Takane
-
日本語LLMインストラクションデータサービス
-
Sarashina2-8x70B
国産LLM①NTT「tsuzumi」
日本語に特化した軽量LLM「tsuzumi」は、2024年3月にNTTが開発した大規模言語モデルです。非常に優れた日本語処理能力を持っているのにも関わらず、必要とされるハードウェアの規模は従来のモデルよりもはるかに小さく、比較的容易に導入できる特徴があります。
-
軽量性(運用コスト・導入コストの削減)
-
多言語対応(英語にも対応可能)
-
柔軟なチューニング(アダプター追加でカスタマイズ可能)
-
マルチモーダルサポート(画像やその他データ形式との統合)
なかでも医療データや金融データの処理に長けていることから、左記の業界を始めとするさまざまな業界での応用が見込まれています。
出典NTT「NTTの大規模言語モデル「つづみ」が登場! 」(2023年12月1日)
国産LLM②NEC「cotomi」
NECが開発している「cotomi」は、日本語での高度な処理能力を持つ国産LLMで、ビジネス用途に特化しています。2024年4月に開発された新しいモデル「cotomi Pro」と「cotomi Liget」は、グローバルなLLMと同等の高性能でありつつも、処理速度が非常に早いのが特徴です。
-
高速処理(cotomi Proの場合、GPT-4よりも約87%早いレスポンスタイム)
-
専門業界向けの適応性(専門的なビジネスニーズ最適化)
-
誤情報検出や対策の強化
-
GPUの計算効率向上
出典NEC「NEC、世界最高水準の高速生成AI大規模言語モデル(LLM)を開発」(2024年4月24日)
国産LLM③ストックマーク「stockmark-13b」
株式会社ストックマークが2023年10月に開発した「stockmark-13b」は、13億パラメータの日本語LLMです。約220億トークンの日本語コーパスなどのテキストデータを基にした、事前学習がされています。
-
ストックマーク社が収集してきた企業情報や特許の更新情報を学習
-
高速処理(ChatGPTの約4倍のテキスト生成速度)
stockmark-13bは、ビジネス向けに特化したテキスト生成モデルで、主に金融関連・ビジネスコミュニケーションの効率化に適しています。ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供しており、主にテキスト生成タスクに特化しているのが特徴です。
出典Stockmark「ビジネスのドメインや最新情報に対応した130億パラメータの日本語LLMの公開」(2023年10月26日)/BRIDGE「日本のStockmarkが幻覚を抑えた130億パラメータのオープンソースLLMを提供開始」(2023年10月30日)
国産LLM④サイバーエージェント「CyberAgentLM」
2023年5月に一般公開された「CyberAgentLM」は、サイバーエージェントが開発した日本語特化のLLMです。商用アプリケーションにおける自然言語処理能力の強化を目的にしており、同社の持つ豊富なデータと独自の技術基盤を活かした開発をおこなっています。
現在は「CyberAgentLM2」などの後続モデルも公開されており、特に最新モデルである「CyberAgentLM3」は以下の性能を持つことから、高い評価を得ているのが特徴です。
-
商用利用が可能
-
225億パラメータを持ち、既存のモデルではなくスクラッチから開発
-
700億パラメータ相当の「Llama-3-70B-Instruct」と同等の性能
-
チャットボット・顧客サポート・コンテンツ生成などに応用可能
出典サイバーエージェント「独自の日本語LLM(大規模言語モデル)のバージョン3を一般公開 ―225億パラメータの商用利用可能なモデルを提供―」(2024年7月 9日)
国産LLM⑤東京大学松尾研究室「weblab-10B」
2023年8月に公開された「Weblab-10b」は、東京大学松尾研究室が開発したオープンソースのLLMです。100億パラメータを持ち、日英2か国語に対応しています。事前学習と事後学習を通じ、多様な日本語・英語データセットを用いて訓練されているのが特徴です。
-
英語は「The Pile」、日本語は「Japanese-mC4」のデータセットを利用
-
両言語のデータを融合し、実用的なアプリケーションへの応用を実現
-
文章生成や対話システムの構築、日英言語間における翻訳など
出典東京大学「東京大学松尾研究室 100億パラメータサイズ・日英2ヶ国語対応の 大規模言語モデル“Weblab-10B”を公開 ―公開済みの日本語大規模言語モデルで最高水準―」(2023年8月22日)
国産LLM⑥Stability AI JAPAN「Japanese StableLM Alpha」
2023年8月に公開された「Japanese StableLM Alpha」は、Stability AI JAPANが開発した日本語特化のLLMです。7億パラメータを持つ言語モデルであり、特に日本語の文脈や文化に基づいたデータを大量に訓練させています。さまざまな自然言語処理タスクに対応できる優れた汎用性が特徴です。
-
日本語のコンテキストを考慮した設計
-
応答性能に重点を置いたフィンチューニング
-
直感的なテキスト生成、質問応答タスクに特化
-
日本語のリアルタイムでの応答生成を実現
出典Stability.ai「Japanese StableLM、国際言語モデル市場への参入を決定」(2023年8月10日)
国産LLM⑦PFN「PLaMo」
「PLaMo」は、Preferred Networks(PFN)社が開発したLLMシリーズで、日本語に特化したモデルです。なかでも2024年12月に商業提供が開始された「PLaMo Prime」は、高品質なデータセットを使った学習をおこなっており、日本語タスクへの最適化で優れた性能を発揮します。
-
テキスト生成・要約・翻訳・テキスト分析が可能
-
教育・カスタマーサポート・コンテンツ制作など幅広い分野で活用可能
-
APIの活用により、OpenAIや既存のシステムとの互換性も
出典Preferred Networks「PFN、日本製大規模言語モデル「PLaMo Prime」を提供開始」(2024年12月2日)
国産LLM⑧オルツ社「LHTM-OPT2」
オルツ社が開発した「LHTM-OPT2」は、2024年10月に発表された最新の軽量型LLMです。同社は、日本語RAG(検索拡張生成)の分野において、世界最高級の精度と推論速度を実現したと強調しています。小規模なGPUでも運用可能な、優れたコストパフォーマンスも魅力的です。
-
GPT-4と同等の精度を持ちつつ、500TPSの高速推論を実現
-
開発者や企業が手軽に利用できる極めて軽量なモデル
-
独自に開発したWikipediaデータセットによるRAG精度評価
-
東京大学入学試験の国語科目データセット評価
出典alt.ai「オルツの「LHTM-OPT2」、日本語RAG(検索拡張生成)で軽量型LLMとして世界最高の精度と推論速度を実現~国内一の日本語推論能力を有する軽量型言語モデルで日本語AIの新たなユースケースを創出」(2024年10月29日)
国産LLM⑨富士通「Fugaku-LLM」
「Fugaku-LLM」は、2024年5月に公開されたLLMです。富士通株式会社のほか、以下の企業・団体が共同で開発をおこないました。
-
東京工業大学
-
東北大学
-
理化学研究所
-
名古屋大学
-
サイバーエージェント
-
Kotoba Technologies Inc.
国内の平均的なモデルが70億パラメータ前後であるのに対し、Fugaku-LLMは130億ものパラメータを持っています。演算速度は従来の6倍、通信速度は3倍の性能で、効率的に大規模モデルを学習する環境を実現しました。
学習データの約60%が日本語であり、特に人文社会系のタスクに長けているのが特徴です。GitHubやHugging Faceを通じて公開されているため、研究や商業目的など幅広く活用できます。
出典FUJITSU「スーパーコンピュータ「富岳」で学習した大規模言語モデル「Fugaku-LLM」を公開」(2024年5月10日)
国産LLM⑩株式会社ELYZA「Llama-3-ELYZA-JP」
「Llama-3-ELYZA-JP」は、株式会社ELIZAが開発した日本語特化型のLLMシリーズです。Meta社が開発した「Llama-3」シリーズを基にして、日本語の生成能力向上のための追加学習をおこなっています。
現状展開しているのは、以下の2つのモデルです。
Llama-3-ELYZA-JP-70B
700億パラメータ
Llama-3-ELYZA-JP-8B
80億パラメータ
これらのモデルは、日本語の生成能力に関するさまざまなベンチマークにおいて、GPT-4を上回る性能を保持しています。
出典ELIZA「「ELYZA LLM for JP」シリーズの最新モデル「Llama-3-ELYZA-JP」を公開しました」(2024年6月26日)
国産LL11.楽天「Rakuten AI2.0」
「Rakuten AI2.0」は、2024年3月に発表された「Rakuten AI 7B」の後続LLMモデルです。Mixture of Experts(MoE)アーキテクチャを採用しており、8×7億パラメータの複数サブモデル(エキスパート)で構成されています。入力トークンに対して、最も関連性の高いエキスパートを動的に選択するのが特徴です。
-
日本市場特有のニーズを踏まえた設計
-
日本語版「MT-Bench」を使った性能評価
-
日本語の会話能力において業界最高水準
出典楽天「楽天、日本語に最適化した新たなAIモデルを発表」(2024年12月18日)
国産LLM12.Ligetblue「ao-Karasu」
Lightblueによって開発され、2024年3月に日本市場に導入された「ao-Karasu」は、720億のパラメータ数を持つ日本語LLMです。最大32Kのコンテキストを持っており、長文処理や複雑なトピックに対する理解能力に長けている特徴があります。
ao-Karasuの学習に使われているのは、11億文字以上から構成されるデータセットです。
-
約4億5,000万文字のWikipediaベースのQAデータ
-
約2億文字の技術ブログ
-
約2億文字の日本のQAサイト回答
-
約1億文字のLLM生成プロンプトとその回答
-
約7,000万文字のニュース記事 など
上記のような幅広いデータを学習することで、GPT-3.5 Turboを超える性能を実現しています。さらに、LoRAを用いてVRAM要件を600GBから144.4GBに削減しているため、コストパフォーマンスにも優れているのが魅力です。
出典LIGHTBLUE「国内最高水準の日本語LLMモデル「ao-Karasu」を公開」(2024年3月22日)
国産LLM13.rinna「Japanese Stable Diffusion」
Rinnaが開発した日本語LLMである「Japanese Stable Diffusion」は、画像生成モデルとしても活用できるのが特徴です。国内のユーザーニーズにマッチした画像生成が可能で、Stability AI社の「Stable Diffusion」を基に構築したLLMに、日本語のデータセットを追加学習させています。
-
約1億枚の日本語キャプション付き画像を利用した学習
-
日本の風景・文化・キャラクターなどに特化した画像生成を実現
-
安全性や倫理観への配慮(CreativeML OpenRAIL-Mライセンス)
出典Alibaba Cloud「Tongyi Qianwen (Qwen) に基づく日本語 AI モデルが rinna によって開始されました」(2023年112月29日)
国産LLM14. 富士通株式会社 「Takane」
2025年4月、「日本語強化型LLM『Takane』」をクラウド/オンプレミスを含むハイブリッド環境で商用展開開始しました。
日本語に特化した性能・商用利用を念頭に、国内データ・商習慣を深く反映し、オンプレ/クラウド双方で使える点で、金融・官公庁など高セキュリティ領域の導入を想定しています。
また、データを国外へ出せない/クラウドだけではなく社内専用環境で運用したい企業に対して提供しやすく、法規制・セキュリティの観点からも導入障壁を下げるようなものになっています。
留意点としては、ハイブリッド環境を要するため、インフラ設計・運用体制がより重要になります。
出典富士通株式会社「富士通の企業向け日本語強化型LLM「Takane」がNutanixのAIプラットフォーム「Nutanix Enterprise AI」より提供開始」(2025年4月16日)
国産LLM15. 株式会社オルツ 日本語LLMインストラクションデータサービス
2025年3月、オルツが「日本語LLMインストラクションデータサービス」を開始しました。
LLMそのものではなく、LLMを開発・運用する企業向けに「質の高い日本語インストラクションデータ」を提供しています。
つまり、LLMの応答精度・制御性を高めるデータインフラに焦点を当てているのが特徴です。
自社でLLMを構築・カスタマイズしようという企業にとって、データ準備/品質確保のハードルを下げるサービスとなっております。
一方で、モデル自体を持たない企業では“データ提供→自社開発”のロードマップ設計が重要です。
出典株式会社オルツ「オルツ、グローバルAI企業向け日本語LLMインストラクションデータサービスを提供開始」(2025年3月13日)
国産LLM16. ソフトバンクグループ株式会社 「Sarashina2-8x70B」
ソフトバンク株式会社は、11月8日、4600億パラメータの大規模言語モデル(LLM)「Sarashina2-8x70B」を公開しました。
特徴として、Sarashina2-8x70Bは国内で大規模パラメータモデルを構築できることを証明し、Mixture of Experts (MoE) アーキテクチャを採用しています。
つまり、「日本語データだけで大規模モデルが可能」であるという実証が、国内企業のLLM事業への信頼を高めことになります。
しかし、大規模モデルゆえの運用コスト(計算資源、冷却・電力)・専門エンジニア体制が必要という部分は検討するべき観点です。
出典ソフトバンク株式会社「ソフトバンク、4600億パラメータの日本語特化LLMを公開 「日本でも大規模なAI作れると証明」(2024年11月8日)
【選び方】日本語LLMの比較ポイント

ここからは、自社のニーズに合った日本語LLMの選び方について解説していきます。日本語LLMの比較ポイントは、主に以下の9つです。
-
目的に合った機能
-
操作性
-
サポート体制・セキュリティ対策
-
予算内継続の可否
-
データソースの限定によるリスク
-
多言語翻訳・国際対応の制約
-
日本語独自の表現や文化的ニュアンスの処理
-
国際的なトレンドや最新技術への適応
-
運用・拡張の柔軟性
上記1〜4はLLM選定の基本的なコツ、5〜9は日本語LLM選定時の注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
スパイクスタジオ担当者によるコメント:
近年、LLM(大規模言語モデル)の発展により、業務の自動化や情報検索の精度向上が加速しています。特に、日本国内の企業や自治体では、日本語に特化したLLMの導入が検討されるケースも増えてきました。しかし、OpenAIなどの国際的な基盤モデルではなく、日本語特化のLLMを採用する場合は、いくつかの特有の課題やリスクが伴うことに留意した上で選定する必要があります。
1.目的に合った機能
日本語LLMを導入する際は、「自社の目的やビジネスニーズに合致しているか」を重視しましょう。たとえば、営業支援なら顧客対応の自動化、マーケティングならデータ分析やコンテンツ生成など、用途に応じたモデルを選ぶことが大切になります。
最適なLLM選定のためには、まず導入前に自社の課題を洗い出し、具体的な目標を設定しておくことも必要です。業務フローの確認や担当者のヒアリングを通じて、実際の活用シーンを明確にしておきましょう。
2.操作性
従業員や担当者のレベル感に合った操作性のLLMを導入することも大切です。直感的なインターフェースかどうかなど、従業員がスムーズに使いこなせるかも確認しましょう。実際の業務で支障なく活用できるかを判断するために、トライアル版を試してみるのも有効です。使いやすさを重視することで、社内の定着率や業務効率の向上にもつながります。
3.サポート体制・セキュリティ対策
信頼性の高いサポートと強固なセキュリティは、LLMを安心して運用するための必須要素です。技術的なトラブルや運用上の問題が発生した際、迅速に対応できるサポートがあるかをチェックしておけると、万が一のときも安心できます。
また、企業データの安全性を確保するため、高いセキュリティ基準を満たし、データ保護法やプライバシー要件に適合しているかも確認が必要です。
4.予算内継続の可否
LLMの導入時は、予算内で継続的に運用できるかを確認することが重要です。初期費用だけでなく、月額料金や追加機能などのランニングコスト・オプション費用なども考慮し、長期的な負担を試算しましょう。
複数のベンダーの契約プランを比較し、必要な機能を備えた最適なプランを選ぶことが大切です。無料トライアルを活用し、実際の使い勝手を確認するのもいいでしょう。
5.データソースの限定によるリスク
LLMの性能は学習データに大きく依存するものです。国際的な基盤モデルは、多言語の大規模なコーパスを利用し、幅広い知識を蓄積しています。一方で、日本語特化のLLMは主に国内のデータセットに基づいて学習されており、情報の網羅性や多様性が制限されるリスクがあるのです。
たとえば、日本国内のニュースや論文、書籍などを学習データとして活用する場合、それらが持つバイアスがモデルの回答に反映される懸念があります。また、データソースが限られることで、新しいトピックや国際的な動向に対する知見が不足するため、特定の領域では正確な情報を提供できない可能性もあるでしょう。
このため、学習データの選定においては、可能な限り多様な情報源を確保し、バイアスを最小限に抑える工夫が求められます。
6. 多国語翻訳・国際対応の制約
日本語に特化したLLMは、日本語の文脈理解や生成に強みを持っていますが、他言語との連携が難しいデメリットがあります。特に、日本語以外の言語との翻訳や、多言語対応の必要性が高い業務においては不利になりやすいため、国際的な基盤モデルを採用すべきケースもあるのです。
たとえば、グローバル市場を対象としたビジネスでは、日本語と英語・中国語・韓国語などの言語間において、スムーズな翻訳が求められます。しかし、日本語特化のLLMでは、外国語データの学習が不足し、翻訳精度が低下してしまうリスクがあるのです。
そのため、多言語対応が必要な場面で日本語LMMを採用する場合は、以下の対策も必要になります。
-
翻訳専用のLLMを併用する
-
外部の翻訳API(Google翻訳やDeepLなど)と組み合わせる
7. 日本語独自の表現や文化的ニュアンスの処理
日本語は、敬語・曖昧表現・多義的な単語など、独特の言語的な特徴を持っています。日本語特化のLLMなら、これらの表現を適切に理解・生成できる可能性は高いですが、使用場面によっては誤解を招くリスクもあるのです。
なかでも、以下のシーンにおける日本語は、日本語話者にとっても難しい課題でしょう。
-
「です・ます調」と「だ・である調」の切り替え
-
ビジネスメールにおける適切な敬語の選択
特に、対話型のアプリケーションや、カスタマーサポート向けにLLMを導入する場合は、十分な配慮が必要です。敬語の誤用や不適切な言葉遣いが、企業のブランドイメージに影響を与える可能性があります。
こうした問題を防ぐためには、モデルのファインチューニングにおいて、業界ごとの言葉遣いや、場面に応じた適切なスタイルのデータを学習させることが重要です。また、出力結果を一定のルールでフィルタリングし、不適切な表現をチェックする仕組みを導入するのも有効でしょう。
8. 国際的なトレンドや最新技術への適応
日本語特化のLLMは、開発・更新の頻度が限られることが多く、最新の技術トレンドや新語の習得に遅れが生じる傾向があります。
特に、ITや科学技術、マーケティングの分野では、新しい専門用語が日々登場し、英語圏の情報が主流となるケースも多いです。日本語特化LLMが、これらの変化を即座にキャッチアップすることは難しいでしょう。
そのため、日本語LLMを導入する際には、定期的なデータ更新やファインチューニングの仕組みを確立し、継続的な改善をおこなうことが求められます。また、継続的に最新のデータを学習し、技術の進化に適応している国際的な基盤モデルの採用を検討するのもおすすめです。
9. 運用・拡張の柔軟性
LLMの導入後は、用途の変化に応じた運用の最適化が必要です。日本語特化のLLMは、以下のケースにおける柔軟性に欠ける可能性があるため、しっかり留意しておきましょう。
-
将来的に多言語対応が求められた場合
-
異なるドメインでの適用を考慮する場合
仮に、当初は社内文書の要約や質問応答にLLMを活用していたものの、後に対話型のカスタマーサポートへの応用が必要となるケースがあったとします。この場合、追加の学習データやチューニングが必要になるため、将来的な拡張性を考慮し、導入時点で運用のスケーラビリティを見据えた設計をおこなうことが望ましいでしょう。
【弊社事例】LLMと生成AIのビジネス活用例
最後に、弊社スパイクスタジオが開発した、LLMと生成AIのビジネス活用例をご紹介します。
弊社では、自然言語処理を用いた「社内チャットボット」を開発し、ビジネスに必要な膨大なテキストデータの構造化による業務効率化を実現しました。具体的には、社内問い合わせ数の削減や、質問回答への速度向上などの業務改善に役立っています。
-
社内議事録
-
ドキュメント
-
チャット履歴 など
データベース化したものは、RAGとしてLLMと組み合わせることで、チャットボットとしての性能を高め、さまざまな用途に活用できる汎用性を付与しています。
生成AIに関するLLM活用でお悩みの方はスパイクスタジオにご相談ください
2025年以降も、日本語LLMの産業利用が一段と活発になると予想されます。
モデルを選定・運用する際には、上記の選び方を踏まえて、自社の目的・業務ドメイン・予算・運用体制にあわせた設計が重要です。
生成AI・LLMの活用についてお悩みでしたら、是非私たち スパイクスタジオ にご相談ください。
専門チームが貴社のニーズをヒアリングし、日本語LLM導入・カスタマイズ・運用設計まで一貫して支援いたします。
