“使い捨て”をなくす、その先へ。株式会社Circloopが挑むリユーザブル容器の循環革命

株式会社スパイクスタジオは、株式会社Circloop様と協働し、生成AIを全面活用したシステム改修を実施しました。開発業務の80%以上をAIが担い、従来の約1.3倍のスピードで改修を完了。顧客は予定より早く新機能を活用でき、柔軟な要件変更にも対応可能に。結果として日々の業務に適合したシステムをスピーディーに提供しました。
【クライアントプロフィール】
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企業名株式会社Circloop
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事業内容
(1)リユーザブル(再利用可能)容器の提供・回収・洗浄・再配送までを一貫して行うリユースサービスの運営
(2)環境負荷削減や資源循環を推進するサステナビリティ支援事業
- インタビュー参加者:
・中村 周太 株式会社Circloop(代表取締役CEO)
・江田 卓弥 株式会社スパイクスタジオ(プロダクトマネジメントユニット ディレクター)
・松野 風馬 株式会社スパイクスタジオ(プロダクトマネジメントユニット メンバー)
【導入サービス】
サービス名:AI活用型システム改修・開発支援
期間:2025年6~8月
【事例のポイント】
株式会社Circloopの成果と進化:
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**現場の「アナログ管理」から脱却し、わずか3ヶ月でスケーラブルな運用基盤を構築
** ── スプレッドシート管理の限界を解消し、20拠点に拡大しても安定稼働する仕組みへ。 -
**「環境負荷削減効果の可視化」で、ユーザー体験と企業価値を同時に向上
** ── CO₂削減量や廃棄物削減量をダッシュボードで表示。利用者のモチベーション向上と営業提案力を強化。
株式会社スパイクスタジオの開発成果と手法
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AI×人の共創により、開発スピード約1.3倍・品質維持を両立
** ── AIを活用しながらも、要件定義〜品質保証まで人の判断を重視。当初12週間を見込んでいた改修・ダッシュボード開発工程を、約10週間で完了(約2週間の短縮)。** -
**AI活用を“共創プロセス”として実装。曖昧な段階からでもプロジェクトを前進させる開発体制を確立
** ── 要件が固まりきらない段階でも、対話を重ねながらスピードと精度を両立する「伴走型AI開発」を実現。
今回は、実際にリユーザブル容器を洗浄・検品しているCircloopの洗浄拠点にお邪魔しました!
現場の熱気を間近に感じながら、「使い捨てをなくす」という想いが、どのようにシステム開発へつながっているのかをお伺いしていきます。
Circloop様の課題
1. 最初に、御社の事業内容や提供されているサービスと、今回のプロジェクトで中村さんが担当されている業務について教えてください。
中村氏
弊社は、使い捨てではなく「繰り返し使えるリユーザブル容器」を提供している会社です。容器を販売して終わりではなく、回収・洗浄・再配送までを一貫して行うフルサービスとして提供しています。
現在はリユーザブル容器をメイン商品としていて、ユーザーの方はコーヒーカップなどの容器を使い捨て感覚で利用できますが、その行動が資源の循環や環境負荷の低減につながる仕組みになっています。
現在は、まだ組織としてのメンバーが多くないため、企画から運用、オペレーションまでほぼすべてを私が担当しています。時には自ら回収に行ったり、洗浄作業を行ったりと、現場を含めた全工程に関わっています。

2. システム改修の目的ときっかけを教えてください。
中村氏
今回のプロジェクトには、大きく2つの目的がありました。
1つは、アナログな業務の中でもデータをきちんと記録しておく仕組みを整えること。請求や運用に関わる重要な情報を蓄積するためです。
もう1つは、そのデータを活用してお客様にアウトプットを返すこと。たとえば、「このサービスを利用することでどのくらい環境負荷が減っているか」を可視化できるようにすることでした。この「環境負荷削減効果の可視化」まで含めた仕組みを構築するにあたり、スパイクスタジオさんにご支援いただきました。
もともと、佐野(弊社COO)さんとは前職が同じで、以前から意見交換をする機会がありました。
その後、独立してCircloopを立ち上げるタイミングでも、事業構想の段階から佐野さんに相談をしていて、「サービスを本格的に展開するなら、最初の段階からシステムの裏側をしっかり整えるべきだ」というアドバイスをもらいました。
そこで、2021年当時、佐野さんが代表を務めていたAlter Works 株式会社(現スパイクスタジオ)に初期システム構築を依頼したのが最初の取り組みです。
当時はまだ事業も立ち上げ期で、空いているリソースを活用して試験的に開発してもらいましたが、実際に運用する中で業務での使い勝手や可視化機能の不足が見えてきました。
そのタイミングで改めて佐野さんに相談し、今回のシステム改修プロジェクトとして本格的に始動しました。
3. 当初の課題と現場での苦労はありましたか?
中村氏
当初は、日々のデータをスプレッドシートで記入・管理していました。
システムを最初に作ってもらった段階では、お客様も2社ほどで、入力先も多くなかったため「まずはこれで管理できれば十分」という状態でしたが、サービス提供拠点が20か所ほどに拡大するにつれて、スプレッドシートの数が増え、管理が煩雑になっていったんです。
きちんとしたデータ管理体制を整えたいという思いが強まり、「オペレーションを安定して回す」という観点で、スプレッドシートの限界を感じていました。
入力先が増え、二重管理も発生して、オペレーションを「ちゃんと回す」こと自体が難しくなっていたんです。
松野
当初は、利用者ごとに返却管理を行う想定で、LINEとの連携機能なども組み込まれていましたが、事業拡大に伴って会社・現場単位での管理が必要になり、仕組みそのものを見直す必要がありました。
中村氏
そうですね。ユーザー登録などの手間が増えるよりも、いかにストレスなく使えるかが重要なフェーズになりました。だからこそ、まずはオペレーション基盤をしっかり整えることを優先しました。
4. 開発初期の印象とAI活用の衝撃的だったエピソードがあれば教えてください。
中村氏
AIを使った開発は想像以上でしたね。特に印象的だったのは、「可視化」の部分で、どのようにグラフや数値を見せると分かりやすいかを検討していたときのことです。従来の感覚では、データを手元で操作しながらピボットテーブルのようにグラフを変えていくイメージを持っていました。
しかし今回は、「こういうアウトプットを出したい」という指示に対して、AIが最適なグラフや見せ方を提案してくれるという流れで、「これはすごいな」と純粋に驚きました。
前職でもデータ分析に関わっていましたが、これまでは“データを探索して答えを見つける”というアプローチが中心でした。
それに対して今回のプロジェクトでは、“ユーザーが見たいものを指示すると、そこから最適なアウトプットが生成される”という全く新しい体験で、「この開発手法だからこそできることなんだ」と強く感じました。
そして同時に感じたのは、AIの裏にある人の理解と解釈の重要さです。
AIが出した結果を的確に読み取り、方向づけてくれる「人」がいるからこそ、プロジェクトが前に進む。AIの力を最大限に引き出すためには“使いこなす人”が欠かせないということを実感しました。
そうした人とAIの適切な連携が取れているのを感じられたのは、とても興味深く、印象に残る経験でした。
5. 開発の際に工夫していた部分を教えてください
松野
提案段階から意識していたのは、スピードと品質の両立です。
モックアップを作成をはじめ、開発業務の約8割をAIが実施し、実際の画面モックをお見せすることで、「やりたいことの方向性がずれていないか」を早い段階で確認するようにしました。この“見える化のスピード”は、今回のプロジェクト全体を通して大切にしていた部分です。
また、今回は管理画面の開発ということで、操作性や基本的なオペレーションの品質をしっかり担保する必要がありました。AIを活用しながらも、最終的な品質確認では人の目や手をフルに使って、最低限の品質保証を行うことを徹底しました。

中村氏
もともと1案件ずつ手作業で管理していたデータを、新しい構造に合わせて移行する必要があったのですが、スパイクスタジオさんがフォーマットを整備してくれたおかげでスムーズに完了できました。
他にも、サービス拡大に伴い、容器の種類の概念を追加するにあたり、データ構造も変更が必要でしたが、その柔軟な対応力には本当に助けられました。
松野
AIを活用したことで、要件が固まり切っていなくても、対話しながら形にしていくスピードが格段に上がりました。当初12週間想定だったものを、約1.3倍のスピード、2週間前倒しで完了できたんです。
江田
背景として、このプロジェクトが進行していたのは2025年6月〜8月頃なのですが、その少し前、2025年5月にAI技術が大きく進化したタイミングがありました。
それまでは「文章を生成する」ような用途が中心でしたが、その頃からは開発工程そのものにAIを実装できるレベルになり、現場の使い方が一気に変わりました。
この変化を、実際のプロジェクトで体感できたという意味でも、今回の取り組みは非常に象徴的だったと思います。
中村氏
最初の数週間は手探りでしたが、それでもスパイクスタジオさんは、そうした曖昧な段階でも柔軟に受け止めて形にしてくれて、“一緒に考えながら作っていく”という共創の姿勢をすごく感じました。
他社だったら「まずは要件を固めてから持ってきてください」と言われて止まってしまうような場面でも、寄り添って伴走してくれたことで、プロジェクトとしての一体感を強く感じましたね。そのあたりから「これはうまくいきそうだな」と手応えを感じ始めました。

6. 「人」と「AI」のバランスを大事にしているとは?
江田
中村さんがおっしゃっていたように、今回のプロジェクトはAIを積極的に活用しての開発プロジェクトでしたが、「全てをAIに任せている」わけではないんですよね。
実は松野が、人と人とのコミュニケーションをすごく大事にしていたのが印象的でした。通常の開発では週1回の定例ミーティングが一般的ですが、それだとAIの高速な開発スピードに対して人の確認が追いつかない。そこで「週2回30分でもいいから定例を増やそう」と提案し、リズム良くフィードバックを回すようにしました。
結果的に、AIのスピードと人の判断を両立できるプロセスができたのは、このプロジェクトならではだったと思います。
松野
AIの活用によって開発スピードが大幅に上がった一方で、最終的な意思決定やデザイン判断は人間が担うべきだと考えています。
AIに任せるのは、例えば、既存コードの修正箇所検出や大量のデータ整理などの作業範囲の広い部分。一方で、最終的な品質判断やユーザー体験の設計といった部分は、人が見てこそ精度が高まるので、 AIのスピードと、人間の感覚を組み合わせることが重要ですね。
今回も、伴走しながら柔軟に対応できたのはAIのスピードに人の判断を掛け合わせられたからだと思います。
中村氏
確かに、定例ミーティングを最初のフェーズでは週2回で、その後体制が整ってからは週1回行うテンポ感の調整が非常に良かったです。
スピード感を保ちながらも、意思疎通がしっかり取れていたので、現場としても安心感がありましたね。
江田AIによる自動化が進む中でも、やはり人がボトルネックになりやすい部分を意識して改善していくことが、結果的に全体のスピードアップにつながったと思います。
そしてやはり「現場を見ることの重要性」は強く感じました。
AIはインプットされた情報をもとに最適なアウトプットを出しますが、実際の現場に足を運んでみると、「ホワイトボードが使いづらい」「動線に課題がある」など、人の感覚でしか気づけない発見があるんです。
そうしたリアルな気づきを設計や提案に反映できるのが、人だからこそできる価値だと思います。
7. 開発スピードや成果物の質以外に感じられた効果・成果があれば教えてください。
中村氏
今回のプロジェクトを通じて一番大きかったのは、「可視化」によってユーザーの意識や行動に変化が生まれたことです。
現在、お客様にも少しずつ「ダッシュボードが完成しました」とご案内しているのですが、実際にお見せすると「すごいですね」「こういうのを待っていました」といった前向きな反応を多くいただいています。
自分たちの取り組みがどれだけ環境負荷の削減につながっているのかを“見える形”で理解できることで、ユーザーのモチベーションが確実に高まっていると感じます。

松野
また、今回開発したダッシュボードでは、リユーザブルカップを設置している各拠点にQRコードを設置し、ユーザーがスマートフォンからアクセスすると、「どれだけ廃棄物を削減できたか」「CO₂の削減量はどのくらいか」といったデータを閲覧できるようになっています。
拠点ごとの数値が見えることで、現場間でポジティブな競争意識やモチベーションが生まれる設計にできたのは良かったですね。
中村氏
提案時のデモでもこのダッシュボードを必ずお見せするのですが、可視化したデータによってサービスの理解が一段と深まる場面が多いです。
私たちのサービスはよく「飲食店で使うおしぼりのカップ版」と表現されがちなのですが、実際にはただの容器回収ではなく、企業のサステナビリティ経営を後押しする仕組みでもあります。
社員一人ひとりが「自分の行動が環境に良い影響を与えている」と実感できるようになることで、意識の変化が生まれることを望んでいます。
実際、アンケートを取ると約3分の2の方が「リユーザブルカップのサービスを利用して環境意識が変わった」と答えてくれています。
このようなポジティブな変化をさらに後押しするのが、今回の可視化システムの役割だと考えています。
このプロジェクトを通じて、私たちのサービスは単なる「リユースの仕組み」にとどまらず、企業や個人の環境意識を高め、社会にインパクトを生み出すサービスへと進化できた。
それが今回のシステム改修で得られた、何より大きな成果だと思っています。
松野
「伴走しながらサポートする」という姿勢は、私たちとしても特に意識していた部分なので、そう言っていただけてとても嬉しいです。
Circloopさんが最近ホームページをリニューアルされた際に、その一部で実装サポートをさせていただいたのですが、その中に「これまでに削減したCO₂量=プラスチックカップ約120万個分」という数字が掲載されていて、改めてこの取り組みのスケールと社会的意義を実感しました。
このプロジェクトに関われて本当によかったと思います。
中村氏
もう一つの成果として、データをきちんと管理できる仕組みが整い、それが業務オペレーションにしっかり組み込まれたことです。
以前は手作業やスプレッドシートでの管理が中心でしたが、今回のシステム改修によってデータが正確に整理され、日々の業務で活用できる状態になりました。
運用面でも格段に効率が上がり、現場としても非常に管理しやすくなったと感じています。
8. 「やってよかった」と感じた瞬間はありますか?
中村氏
スパイクスタジオさんがまるで自社チームの一員のように伴走してくれたのが本当にありがたかったです。
単に開発を請け負うのではなく、同じ視点で考えてくれるパートナーでした。
9. このプロジェクトから得た学びは何ですか?
中村氏
AIを活用した開発であっても、要件はクライアント側でもある程度整理しておくことが重要だと感じました。
AIを使えばスピードは出せますが、前提となる目的や方向性が曖昧だと、出力もブレてしまいます。
また、AI開発は従来のレビューや意思決定の進め方と異なる部分が多いので、チーム全体で「どの段階で人が判断するか」を事前に共有しておくとスムーズです。
江田
AIを導入した開発では、出てくるアウトプットの量と選択肢が格段に増えます。
だからこそ、開発側の提案力とクライアントの意思決定力の両方が噛み合うことが大切です。
AIのスピードと可能性をどう“共創”に変えるか――そこが今後のプロジェクト成功のカギになると思います。
10. 今後の展望を教えてください
中村氏今回の開発で、安心してスケールできる基盤が整いました。
これを武器に、お客様への提案や導入をさらに進めていきたいです。
今後もシステムの進化や機能追加を重ねながら、より良いサービスに育てていきたいと思います。
そのためにも、引き続きスパイクスタジオさんと一緒に挑戦していければと思っています。
11. 同じ課題を抱える企業へのメッセージをお願いします
中村氏AIを使うと謳う開発会社は増えていますが、本当に活用できているか、成果につながっているかは別問題だと思います。
スパイクスタジオさんは、AIと人の力を掛け合わせて確実に結果を出すチームです。
実際にご一緒して、「間違いなく良いアウトプットが出てくる」と感じました。
AI時代に信頼できる開発パートナーを探している企業には、ぜひおすすめしたいですね。

今回のプロジェクトでは、AIが開発業務の8割を担い、人が判断と品質を担保するという「共創型開発」が実現されました。
開発スピードを約1.3倍に向上させながら、現場のニーズに柔軟に対応できたことは、人とAIが互いの強みを活かした協働の好例と言えるでしょう。
スパイクスタジオでは、今後もAIを活用した高速開発・業務効率化の支援を行ってまいります。
本対談で触れたプロジェクトの全体像や取り組みの詳細は、プレスリリースにて詳しく紹介しています。より深く知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
